就活や働くことの必要性が納得できない人へ【目的と手段を区別して視野を広げる】

こんな人向けに書きました。

  1. 履歴書の文章を書いては消してを繰り返している人
  2. 何から考えればいいのか分からない人
  3. 自分がやっていることが正しいのか分からない人

ゴール

  • 妄想から脱却し、思考できるようになる

こんなこと書いてます。

目的を決める必要性

目的がないと、今に一貫性のある意味を与えることができません。
一時の感情や思考に流されずに判断する為には「目的」という目印が必要です。

この記事でも目的(価値観)をどう定めるかによって、行動の評価や判断が変わることを説明しました。
>> 就活が辛い人、仕事が辛い人、全部辞めたい人【価値観と目的を確認しよう】 - 就活から始まる物語

しかし、目的を考えることは思いのほか難しいです。
目的だと思っていたものが単なる手段だったりするからです。
目的と手段を取り違えると最善の手段を選択する機会を失います。

ここでは、「目的」にたどり着く為に必要な観点3つについて説明します。

  1. 目的、目標、手段を区別する
  2. 評価者を明確にする
  3. 評価者の評価基準を明確にする

目的、目標、手段を区別する

まず、目的と目標と手段を区別して「目的」を考える為の方法を説明します。

目的とは抽象的概念であり、より抽象度の高い目的が生じれば、以前まで目的だったものは目標、あるいは手段となります。

目標は目的の達成度合いを示す客観的に評価できる指標です。

手段は目的を達成する為の選択肢の1つです。

少し自分に自信のない就活生の佐藤くんがいます。
佐藤くんの目的は有名な会社に入ることでした。
有名な会社に就職したい理由は周りから認められたいからでした。

この場合、有名な会社に入社することは目標でしょうか、手段でしょうか。

ここでもう一度目標と手段の定義をおさらいしましょう。

目標:目的の達成度合いを測る指標
手段:目的を達成する為の選択肢の1つ

「有名な会社に入る」ことは「周りに認められたい」という目的の下位概念であることが見えてきました。
有名な会社に入社することは、目的の達成度合いを測る指標というよりは、1つの手段だと言えそうです。

手段であるということは、他に選択肢があるということです。
手段では目的の達成度を測れないので、別に指標を設ける必要があります。

自分の目的が本当に目的なのか、目標なのか、手段なのか今一度考えてみましょう。

ここで大切なのは、手段を目的と混同しないことです。

真に目的だと納得できる目的が見つかったら次に進みましょう。

目的:周囲の人から認められること

目的の評価者を明確にする

次に考えるべきなのは、目的が達成できたかできていないかは誰が判断するかということです。 要は、目的を目標に落とし込んで見る作業です。

周りに認められたいのは佐藤くんです。 認めるかどうかを決めるのは佐藤くんの周りの人です。

例えば、佐藤くんの例では「周りに認められること」が目的です。
「周りに認められているか」を評価するのは佐藤くんです。

評価者の評価基準を明確にする

では、佐藤くんはどのような基準で「自分が周りから認められている」かを判断するのでしょうか。

基準は曖昧では基準として機能しませんので、曖昧さを消して行きましょう。

まず曖昧なのは「周りから」です。
「周り」とはどの範囲をさすのか分かりません。
家族、友人、同僚、はたまた日本中の人。
自分が何を望んでいるのかをはっきりさせましょう。

自分が何を望んでいるのかわからない場合は、自己分析をしましょう。
>> 就活が辛い人、仕事が辛い人、全部辞めたい人【価値観と目的を確認しよう】 - 就活から始まる物語

ここでは、周りの範囲を「家族、大学時代の友人、仕事と生活で話をする可能性がある人」と定義しました。

次に「認められる」を定義します。
「認められた」と感じる条件を考えてみます。
これまでに認められたと感じた経験を書き出して見るのもよいでしょう。

ここでは、「自分が作ったものが評価されること」と定義しました。
「自分が作った」は8割以上を自分で作成したものとします。アイデアやアドバイスをもらった場合でも「自分で作った」の定義を満たすとし、アイデア分は8割には影響を及ぼさないとします。文章であれば文字数、アプリケーションであればコードの行数で評価します。 「評価されること」は「自分の創作物」に対して「ポジティブな評価」をされること、或いは「創作物が読まれる、使われる」こととします。
「ポジティブな評価」は「うまい」「すごい」など抽象的なものから「〇〇が素晴らしい」など部分的なものまで全て含みます。
「創作物」はリアルなものではなく、ネット上に公開できるものも含みます。

「創作物」の範囲をネットに広げたので、「周り」の範囲を「家族、大学時代の友人、仕事と生活で話をする可能性がある人、ネット上でサイトやアプリを介して接触する人」に広げます。

このように、曖昧さをなくし、定義をしていくと、もやっとしていた自分のやりたいことややりたくないこと、望んでいることがはっきりと見えてきます。

ここで見えてきたことは、「自分が作ったものを褒めて欲しい、自分が作ったものを使って欲しい」ということです。

評価基準を具体的にすると、その為に取るべき手段が自ずと決まってきます。

まず「作る」ことが前提にあるので、「作る」仕事である必要があります。
それは製造業のような具体物でも良いですし、アプリケーションやサービスのような抽象物でも良いです。
「自分に著作権がある創作物」という条件があるので、会社はNGです。会社で作ったものの著作権は会社に帰属するからです。
8割以上自分が作業するということなので、基本的に一人で一から百まで作れる規模、タイプのものでなければなりません。

これで自分がやるべきことははっきりしました。
会社に就職してスキルを身につけるもよし、すぐに何か作り始めて見るもよしです。

やりたいことははっきりしているので、就活をする上でも業界や企業を容易に絞り込むことができます。
あとは、本当にやりたいことができるのかを調査していきます。

やりたいことができる会社が見つかったら、目的をその会社で雇ってもらうことに切り替え、また同じように目的と手段の落とし込みをしていきます。
このときは、評価者が自分ではなく、他者になるので少し勝手が違います。

評価者が他者の場合は読書猿というブログの記事が参考になります。
小論文の書き方解説ですが、就活にも転用できます。

書き手の経験や考え方(人柄まで)を知りたいという目的で要求される作文系小論文の「主張」は、「私(この小論文の書き手)は○○な人間である」というものです。もっとはっきり言うなら、就職試験なら「私は御社で働くべき○○な人間である」です。

>> これは小論文で何を書いたらいいか分からない人のために書いた文章です 読書猿Classic: between / beyond readers