17卒採用活動解禁!というこで、18卒だけど合同説明会に参加しました。(野村、損保ジャパン、みずほ、ソニー生命)
説明会の概要
形式
今回は企業の方が30分ずつプレゼンをしてくださる講義形式のイベントでした。
人数と服装
参加者は250人と書いてありましたが、100人程度は机が足りず、壁際に並んだ椅子で話を聞いていました。
9割以上スーツでしたが、黒系統のジャケットなど、抑え目の私服の人もいました。
参加姿勢
みなさんメモ帳を持ってきて、何やらメモしていました。少なくとも周囲30人は全員持っており、B4サイズを使っている人が多かったです。周りの雰囲気に流されて一応手帳を出しましたが、結局配られた資料にメモしていたのでほとんど使いませんでした。
情報を一元化しておくために、一冊のノートを使っているのでしょうか。それとも真面目に聞いているというアピールで印象アップを狙っているのでしょうか。いずれにせよ、メモ帳は就活必須アイテムのようです。
早く着いてしまったら
いつものごとく30分前に会場につきました。御茶ノ水ソラシティホールでした。エレベーターを上がりきったところにベンチが5個ほどおいてあり、そこで待つことが出来ました。
*注意*
以下の内容は個人的な解釈です。必ず公式情報を確認してください。また、プレゼンの構成等についての感想が多く含まれています。金融の内容について詳しく知りたい方にはお勧めできません。
1.野村證券
成長市場である直接金融
野村は証券会社であり直接金融を主に扱っています。
直接金融とは投資家が直接企業に投資をするお金の流れで、投資家がリスクを覚悟しているリスクマネーであることが特徴です。それに相対するものとして間接金融があります。間接金融は銀行のように預金者からお金を預かり、それを資産運営して増やす方法です。
リスクをとることで、成熟企業(業績が安定している、言い換えれば横ばいまたは緩やかな下降傾向にある企業)ではなく、成長中の若い企業に投資して大きなリターンを狙うことができます。
さらに、高齢者の増加や年金等への信頼の低下から個人で資産運用を行おうとする人も増加傾向にあり、投資比率が上昇しているため市場は拡大しています。また、直接金融市場は国内にとどまらず国外にも及びます。
このようなリターンの大きさと市場が拡大しているという状況から、直接金融は成長市場とされています。
そのため、これまで間接金融メインだったメガバンクも続々直接金融市場に参入しています。
独立系金融機関
野村証券は金融会社の吸収合併が進む中でも合併を行わなかった独立系の金融機関でありながら、企業結合した他のメガバンクに対しても引けをとらないシェアを誇っています。これは直接金融市場への新規参入障壁の高さと野村の実績を示しています。
営業部門顧客資産残高 103.0兆円(2016年3月第2四半期)
全国証券会社お預かり口座数 23% 529.4万口座/2,280万口座(2015年3月末時点)
ーNOMURA RECRUITMENT BOOK 2017ー
アセット・マネジメント部門運用資産残高 39.3 兆円
証券総合口座数 160万
ーみずほフィナンシャルグループ 紹介冊子(2017)ー
働き方
・1年間のインストラクタ制度がある
・上位1位を海外派遣
・インストラクターの海外派遣
・女性の復職率95%
・年2回の9連休(実際にとれる)
学生に求めるもの
・向上心
・柔軟性ー変化に対応
・誠実性ー顧客の信頼を得る
2.損保ジャパン
印象に残ったのは、損保ジャパンは直接営業に行かず、代理店に委託しているということだけでした。B to B to Cなので、無理やりの売り込みなどに関わることはないというような話をされていました。仮にも自社商品なのですから、B to Cの段階にいいイメージがないとしても、それは代理店の仕事なのだから関係ないという感じの発言はどうかと思いました。押し売りで押し付けるのに忍びないような商品しかないということでしょうか。
そのほかははっきり言って、パンフレットに買いてあることをパワポにまとめなおしただけでした。公式ページのディスクロージー等を呼んだほうがよっぽど分かりやすいです。
具体例をあげたり問いを投げてみたりするのはいいのですが、何のためにその例を挙げるのかが分かりにくかったです。また、客観的なデータが少なく、主張の根拠として納得できませんでした。そのせいか、説明がくどく感じて飽きてきてしまいました。
例えば、日常のリスクについての説明が必要以上に多かったです。毎日の生活の中にリスクがあふれかえっているからこそ保険が必要になると言いたいのかもしれません。しかし、リスクへの対処は国民保険や預貯金、個人での資産運営でも対応可能です。その中で「保険」という商品を選択する必要性・有効性についての説明がなく、説得力に欠けました。
伝えたいポイントと学生が求めている情報の比率を考えた上で、意図が見えるような構成にしてほしかったです。
3.みずほ銀行
こちらも内容は微妙でした。初めてできた銀行だとか、初めての総合金融企業だとか、それは調べればわかるだろうしその重要性がいまいちわかりません。個人的には長くやってきたことで積み重ねられた深く広い顧客層をもっているのだと主張したかったのだと理解しました。だとすれば、新規顧客開拓よりも遺産に頼っているともとれます。
人と人との結びつきもライトになってきている上、代替わりも進んでいるのに、昔の付き合いだけでどこまで顧客をつなぎとめられるかには疑問があります。
過去の栄光を強調するような説明には魅力を感じませんでした。
みずほの<強み>
・銀行・信託・証券(銀・信・証)を自前で保有する日本最大級の邦銀グループ
・顧客基盤
みずほ銀行 個人顧客 2,400 万 全国民の 5人に1人 に相当
上場企業 に占める お取引先数 70 %
・営業基盤
47都道府県全てに店舗を展開
世界110拠点
ー<みずほ>の成長戦略2015年7月 みずほフィナンシャルグループ
http://www.mizuho-fg.co.jp/investors/individual/briefing/pdf/20150722.pdfー
また、企業理念についてのお話がありましたが、ただ理念を説明されてもああそうなんだで終わってしまいます。企業理念くらいはどの企業にも一応あると思いますし、ただこれが理念ですと発表するだけではなんの意味もありません。その理念をどう社員全体が共有し、同じ方向をみながら動いているかを知りたかったです。
そのような点で、あまり満足のいく内容ではありませんでした。
4.ソニー生命
最初に敷いた伏線がきちんと回収されるきちんと構成されたプレゼンでした。資料を使った論理的な説明と、数字で明確化できない理念の両方が盛り込まれていてとても納得できました。
保険はなぜ必要か
人生は平坦な道ではありません。いったん道から外れると、崖から落ちてしまいます。そんな時、その落差を埋め再び元の高さに戻れるようにすることが保険の役割です。
保険の仕組みは相互扶助です。仲間があつまれば個人でもできるかもしれません。しかし、生きていくにはお金がかかります。男性が一生涯に稼ぐ総額は約3億円と言われます。もし、仲間の一人が働けなくなったらあなたは自分の身を削ってその人を養っていけますか。もしそれが、見知らぬ人だったらどうですか。そこまで強く助けたいと思えますか。たとえ助けたいと思ったときは一千万単位のお金が必要です。あなたは用意できますか。
このようなときのための保険です。保険は見知らぬ人がみんなでお金を出し合って、困った人を助ける制度です。例えば60万人が保険に加入していたとします。1人20円ずつだせば1200万円になります。これなら無理なく困った人を助けられます。自分が困ったときは助けてもらえます。そうすれば落ちた分をもう一度取り戻して、人生のレールに戻れます。
「質」ーオーダーメイドの保険ー
ソニー生命が重視するのは「質」です。質の高さとはどれだけ顧客の役に立つということです。
これを実現するためにコンサルティングセールスとコンサルティングフローを行います。そして、オーダーメイドの保険が完成します。
コンサルティングセールスはオーダーメイドの保険を作るための説明のことです。通常の保険なら70分程度ですが、ソニー生命は8時間かけます。長すぎるとは思うけれど、これが質の高さにつながっています。さらに、契約後もコンサルティングフォローを行います。
このような取り組みにより顧客の支持を得て、高い契約継続率を実現しています。
「質」ー顧客の役に立つかを第一に考えるー
CMが少ないのは、保険料をCMに費やすことが顧客の利益にならないと思うからです。認知度が低すぎるのは問題ですが、万人に知られる必要はありません。広告費用ではなくお客様の役に立つことにお金を配分しています。
シェアの話
ソニー生命のシェアは5%です。低いですね。
順位で見てみましょう。1位は日本生命さんの15%、ソニー生命は43社中5位です。
日本人の9割が保険に加入しています。生命保険をすすめても、ほとんどの人はすでに保険に加入しています。ですから、ソニー生命は他社さんからの乗り換えで加入者を増やしています。オーダーメイドの保険は、他社のパッケージ化された保険とは違います。一人一人のお客様にぴったりな保険です。
これを地道に続けて36年で5位まで来ました。120年の歴史がある日本生命に比べればとても短い期間でここまでシェアをあげました。契約者数は創業以来ずっと右肩上がりです。
市場の話
今、人口が減っています。お金を投資に回そうとする人は増えています。ですから、保険市場は縮小傾向にあります。ソニー生命は大丈夫でしょうか。
ソニー生命は悲観していません。なぜなら、オーダーメイド保険の市場は拡大しているからです。ソニー生命のシェアは5%です。まだ大きな伸びしろがあります。
ソニーグループの企業精神
ー他人のやらないことに挑戦し、社会に貢献するー
これが、ソニーグループ1,200社、15万名が共有する理念です。
ソニーはウォークマンを作り、音楽を持ち歩くことを当たり前にしました。
ソニー生命はオーダーメイドの保険を当たり前にして社会に貢献します。
Last Love Letter
自分が死んだあと、どうやって大切な人を守りますか?自分がいなくなった後も、大切な人を守り続けるために保険に入る。そんな感覚が当たり前になるように、ソニー生命は「質」の高い保険を提供します。
感想
構成がまちまちですみません。今回は内容というよりもプレゼンの仕方が気になってしまいました。これは、面接の際の自己ブランディングと重なると思ったからです。今回、損保ジャパンとみずほ銀行にはあまり良いイメージを持てませんでした。でもそれは二つの会社に魅力や強みが無いからではありません。会社が持っているいろいろな要素をどう切りだし、どう説明するかなのです。
例えば野村証券は、総合金融機関ではなく市場が狭く、さらにメガバンクが直接金融市場に参入しているという不安に対し、単独でシェアを維持してきたという実績を持って説明し、自社の強みを強調しました。ソニー生命はシェアが5%しかないこと、市場の縮小の問題を取り上げながら、それを今後の成長可能性という利点に変えました。
このように、一見マイナスに見える事実も、ある側面から見ればプラスになりえます。今、自分には何もアピールできるものが無いと思っていたとしても、切り出し方、見せ方次第で武器にできるのです。
自分が持っている要素を抽出し、分析し、それが分かりやすく伝わるよう丁寧に話を構成すること。それこそが最も大切なのではないかと感じました。
内容についての感想ではありませんが、今回最も強く感じたのはこのことでした。